2007年8月20日月曜日

夏 ニューヨーク 光と影

男の更年期かと思った。ずっとだったのか。後厄から5年間。

何もかもつまらなかった。
2001年、でかいソフトウェア会社の役員になった。そこで燃え尽きたのかもしれない。
1年間口説き続けられたのだ。根負けして移った。一介の部長が役員になった。でき過ぎだった。
しかし、器は出来ていなかったし、能力がついて行かなかった。

負けたと思った。

引き抜いたオヤジが所得税法違反で逮捕された。ストックオプションの脱税容疑だ。
いい口実ができたので、すぐに逃げ出した。

三流の、斜陽の会社に逃げた。移籍は業界紙に出た。すげーな、有名人みたいだと思った。

何もしないで過ごした。くだらなかった。どんどん自尊心が壊れた。
中学入試からずーっと闘いだった。結論がこんな三流外資か。

5年腐り続けた。腐っていることも許せなかった。

腐るのも5年が限界だ。焦燥感で溢れかえった。
行き場を失い、開き直った。
エージェントの話を真剣に聞いた。


ブランドのくちがあった。出会いだ。一期一会だと思った。

外人のインタビューもうまくごまかした。
ご縁があった。


結構がんばれるもんだ。


きっかけはカメラかもしれない。

仕事仲間の話からふっと思い出した写真という10代のころの趣味だった。
Webで見た小さな日本製のデジタルLeica
D-LUX3は完璧なデザインだ。

買った。 日本製のLeicaだ。パナにすれば安いのに。

ブランドが好きなんだと、再確認した。
会社もブランドでなければならないのだと再確認した。見栄っ張りは子供のころからだ。


自尊心が満たされた2007年夏、NY本社へ行った。

どうしても行きたいところがあった。あの敗北感に押し潰されていた渦中の日、帰宅して見た衝撃のTV映像。

なぜか行かなければならない気持ちだった。























WTC跡地に立った。
その場では何も感じなかった。そんなものかと納得する。







NYを7時間歩いた。

カメラのネックストラップ周辺が塩を吹いた。

この街がすごく好きになった。















光との街だ。



photo : Leica Digilux3 + D vario elmarit f2.8-3.5/14-50mm asph

2007年8月16日木曜日

ロスアンジェルス 天使の街

天使の住む街とは、良いネーミングだ。



ロス現地の担当セールスの白人がどうしても天使に思えた。

すし屋でディナーの時に、僕はあんたに天使を感じるよ、と言ってみた。

YesでもNoでもなかった。

おっさんを口説いていると思われたか…






毎日同じ天気、と同僚のジャネットが言う。

毎日同じ天気。



photo : Leica D-LUX3 DC vario-elmarit f2.8-4.9/9-23mm asph